売上が伸び悩んだとき、多くの通販会社がまず頼るのが「値引き施策」です。一時的には数字が動き、広告効率も改善したように見えるので、経営層にも説明がしやすい。しかしその裏側で、LTVの伸び悩みという大きな課題が進行していることは少なくありません。短期的な成果を積み重ねるか、それとも中長期で顧客の価値を高めるか、ここに大きな分かれ道があります。今回は値引きで数字を作る会社とLTVで伸びる会社の分かれ道についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

値引き型の成長には、必ず「天井」がやってきます。割引を期待する顧客層が増えるほど、ブランドの価格信頼性は下がり、定価での購入が難しくなります。さらに利益率を削ってでもキャンペーンを繰り返すうちに、広告費や物流コストとのバランスが崩れ、数字だけを追う不健全なサイクルに陥ってしまいます。短期的な売上は立つものの、LTVが伸びず、顧客のファン化は遠のきます。
一方で、LTVで勝ち続ける会社は「体験価値」に投資しています。値引きではなく、初回体験の満足度を高める工夫や、購入後のフォローアップ、ブランドのストーリー発信など、顧客との接点を磨き上げることでファン化を促しています。結果として定価でも選ばれ続け、口コミや紹介といった無償の流入も生まれやすくなります。LTVが高い顧客は、一人ひとりが会社の成長を後押しする「無形の資産」となります。
例えば、ある健康食品会社では、新規顧客の獲得時に大幅値引きをしていた頃、定期継続率は30%台後半で頭打ちでした。しかし、初回購入者向けに「飲み方や効果を実感しやすいタイミング」を動画で案内し、さらに2回目以降は専門スタッフからのフォローアップメールを導入した結果、継続率は45%を超えました。値引きによる一時的な獲得効率は下がったものの、LTVは大幅に改善し、結果として広告投資の回収スピードも速くなりました。このように、割引から「体験価値」へとシフトすることが、LTV経営の本質だと言えるでしょう。
通販市場は成熟し、広告費の高騰が避けられない時代に入っています。だからこそ「どの道を選ぶか」が経営の命運を分けるのです。短期の数字にとらわれるのか、それとも長期でLTVを積み上げるのか。短期の合理、長期の合理どちらをとるか、答えは明白です。LTVを一番に考える会社こそが、3年後、5年後も市場で選ばれる存在になれます。
自社の状況はいかがでしょうか。まずは一度チェックしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれません。
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ダイレクトマーケティングプランナー 石井 孝典