通販業界において、広告の運用成果を語るとき、ついメディア選定やクリエイティブの精度に意識が集中しがちです。でも、本当に成果を出している企業の現場には、少し意外な共通点があります。それは、広告マーケティング担当者が「自分の外」に出ているということです。今回は組織を越境するマーケターが起こすKPIの達成についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

たとえば、ある食品通販会社。広告のCPAが高止まりし、社内で改善策を検討していたとき、広告担当者は「何か外にヒントがあるのでは」と考えました。彼が向かったのは、社内でも縁遠かった物流センター。現場スタッフに配送フローをヒアリングする中で、「実は配送リードタイムが以前より短縮された」という事実を知りました。これは広告上、価値のある訴求材料になると直感したA氏は、すぐさま「最短翌日お届け(地域限定)」というコピーに切り替え、LPを改修。結果は明確でした。CPAは約20%改善、加えてCVRも着実に伸びる結果に。
別の事例では、美容系D2Cブランドのマーケターが、毎月の定例会議で「新商品の特徴が伝わりづらい」と悩んでいました。広告やLPでは、どうしても表面的な情報しか拾えず、差別化しきれない。そこで、商品開発チームのブレストに参加するようにしてみました。最初は違和感もあったものの、「この成分は原価ギリギリだけど、絶対に肌へのアプローチが違う」といった開発者の熱い想いを直接聞いたことで、訴求のトーンが徐々に変化。それまでの「何となくオシャレ」なクリエイティブから、「成分選定のストーリー」を伝える広告へと切り替えたことで、SNS広告のCTRが約1.5倍上がるという結果になりました。
これらに共通するのは、「部を越境する姿勢」です。広告、CRM、商品開発、カスタマーサポートなど通販業界は部門ごとに分業されており、役割ははっきりしています。でも、それを壁にしてしまっては、成長のチャンスを逃します。逆に、自分の成果のために他部署に出向き、情報を拾い、巻き込む。その姿勢が、思いもよらぬ発見や共創につながっていくと見ています。
弊社が伴走している企業様でも、こうした越境型マーケターの存在が、現場を変え、数字を動かしているのを何度も見てきました。特別なスキルがあるわけではなく、ただ一つの質問から始まっています「この課題、他部署にヒントはないか」と。組織の壁は、最初から高いのではなく、無関心が積み上げてしまうものです。だからこそ、マーケターが最初の一歩を踏み出すことで、風通しは変わります。成果を、もっと本気で取りにいく。そのために、チームや部署の境界を越えて動けるかどうかが、これからのプロフェッショナルを分けるポイントになると、私たちは考えています。自社のマーケター、マーケティングチームの意識はどうでしょうか。一度見直してみてください。そこから何か見えてくるものがあるかもしれません。
ダイレクト・ラボでは通販全体の再構築支援、マーケター育成、既存通販のCRMリフレーミング、リブランディング、コンサルティング、商品開発、ECの立ち上げ、SNSの運用、通販広告・販促の企画~デザイン制作など幅広く行っております。初回ご相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせください。
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ダイレクトマーケティングプランナー 石井 孝典