「私はマーケターは広告運用が得意です」「デザインの改善には自信があります」。そうした評価を受けるマーケターは少なくありません。たしかに広告やクリエイティブの力は重要です。しかし、それだけでプロフェッショナルと呼べるかというと、少し疑問が残ります。ダイレクトマーケティングの世界は年々複雑化し、表面的な施策だけでは結果が出にくくなっています。だからこそ今、問われているのは「社内の壁を越えて、組織全体を動かす視野と意志」を持っているかどうか。その視点があるかないかが、成果に大きな差を生む時代に入っています。今回は通販のプロに必要な社内の壁を越えるマーケターの越境意識についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

通販ビジネスは、広告・受注・商品発送・カスタマー対応まで、多くの部門が連携して初めて成立する仕組みです。マーケターが広告で集客したとしても、その後の体験設計が欠けていれば、リピートにはつながりません。例えば、ある通販会社では初回購入者の継続率が伸び悩んでいました。当初は広告やクリエイティブに問題があると考えられていましたが、実際には「サンクスメールの配信が遅れている」「問い合わせ対応が一貫していない」といった、オペレーション側の摩擦が原因でした。そこでマーケターがCSチームや受注部門と連携し、フローを見直した結果、継続率が20%以上改善しました。
このように、自分の領域の外側に関心を持ち、他部署と対話する姿勢が、結果として大きなインパクトを生むことは少なくありません。にもかかわらず、多くの現場では「自分の仕事はここまで」という線引きが暗黙のルールになっており、それが打ち手を限定し、改善のチャンスを逃しています。
もちろん、組織としての仕組みや体制整備も重要ですが、まず必要なのは「自分が越境してでも動くべきだ」という意識。越境することで見える景色が変わり、数字の捉え方も深くなるのです。たとえば、商品開発チームとの会話で「最近は香りの好みが変わってきている」という現場の声を聞いたり、物流現場のスタッフから「この商品は梱包に時間がかかる」といった声を拾ったりすることも、実はマーケティング戦略に直結。それらを「関係ない部署の話」として切り離すか、「顧客体験に直結するリアルな情報」として吸収できるか。この差が、成果を生むかどうかの分岐点になってきます。
とくに中小規模の通販会社では、個々のスタッフの動きがそのまま売上に直結します。だからこそ、専門性に加えて「全体に目を配る力」「他部署を巻き込む力」がある人材は、極めて価値の高い存在です。マーケテイングにおけるプロフェッショナルとは、自分の専門性を軸にしながら、他部門と橋をかけられる人。社内の壁を越え、顧客の体験全体を設計できる人です。「広告はやってます」「数字は出してます」だけで終わらない、前に進めるマーケターが、これからの時代に選ばれる存在になるのではないでしょうか。
自社のスタッフ、チームのベースのマインドはいかがでしょうか。一度振り返ってみてください。何か見えてくるものがあるかもしれません。
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ダイレクトマーケティングプランナー 石井 孝典