「新しいお客様を増やしたい」。そう考えたとき、広告の配信先を広げたり、より多くの人に響く表現を探したりすることがあります。もちろん、知っていただく機会を増やすことは大切です。ただ、新規獲得のコストが上がっているときほど、一度立ち止まって考えたいことがあります。それは、「自社の商品は、どんな方に選ばれているのだろうか」ということです。今回は~顧客を増やす前に誰に届けるかを考え直す~についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

例えば、保湿ジェルを販売する化粧品会社が、「乾燥が気になる40代から60代の女性」をターゲットにしていたとします。一見すると、誰に届けたいのかは明確です。しかし、同じ年代で乾燥に悩んでいても、商品を選ぶ理由は一人ひとり違います。価格を重視する方もいれば、使い心地を大切にする方もいます。お手入れの手間を減らしたい方と、時間をかけて肌をいたわりたい方では、心が動く言葉も変わってくるはずです。
そこで手がかりにしたいのが、すでに購入し、使い続けてくださっているお客様です。初めて購入した理由だけでなく、使い続ける理由にも目を向けてみます。「保湿力が高いから」という答えを、もう少し深く聞いてみると、「仕事中に乾燥が気になり、お手入れを何度も見直していた」「いろいろ重ねるのが負担だった」といった、具体的な生活の場面が見えてくるかもしれません。
仮に、長く使ってくださる方に「忙しい毎日の中で、あれこれ迷わずお手入れを済ませたい」という共通点があったとします。そうであれば、商品の魅力は保湿成分の豊富さだけではありません。お手入れの手順がわかりやすいことや、使い続けやすい使用感も、選ばれる理由として伝える価値があります。
広告の言葉も、「うるおいのある肌へ」だけでは伝わりにくかったものが、「お手入れを重ねる時間がない朝に」とすることで、自分の生活に重ねて受け取っていただける可能性があります。商品説明や写真、使い方の案内まで、その方が知りたいことに沿って整えていけば、購入を判断するための情報も届けやすくなります。
購入履歴や問い合わせ、レビューなども確認しながら、共通する傾向を探していくことが大切です。初回の割引をきっかけに購入した方と、通常価格でも使い続けている方では、評価している点が異なることもあります。ここで考えたいのは、単に購入してくれる人を探すことに加えて、自社が提供する価値と、相手が求める価値が重なるのはどこか、ということです。その重なりが見えてくると、広告の訴求だけでなく、商品やサービスをどう磨くかという判断にもつながります。誰に選ばれたいかを考えることは、自社が大切にする強みを確かめることでもあります。
もちろん、ターゲットを見直せば、すぐに獲得コストが下がるとは限りません。伝え方の仮説をつくり、実際の反応を見ながら調整する必要があります。その際は、初回の獲得単価だけでなく、2回目の購入や継続の状況まで確認したいところです。
新規獲得が難しくなったとき、より多くの人に届ける工夫とともに、自社を必要としてくださる方への理解を深めてみる。誰の、どんな場面で役に立てるのか。その解像度を上げることが、広告の改善にも、長く選ばれる事業づくりにもつながっていくのではないでしょうか。自社の運用状況はいかがでしょうか。まずは一度チェックしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれません。
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