原材料費や物流費、人件費など、さまざまなコストが上昇する中、通販企業にとって「商品の価格をどうするか」は、これまで以上に重要なテーマになっています。一方で、実際に値上げを検討するとなると、「お客様が離れてしまうのではないか」「定期購入の解約が増えるのではないか」「競合商品に流れてしまうのではないか」といった不安を感じる企業も少なくありません。今回は通販企業が考えるべき価格とブランド価値についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

もちろん、価格は購入を左右する大切な要素です。しかし通販における価格設計は、単純に「安いか、高いか」だけで考えるものではありません。例えば5,000円の商品を4,000円に値下げすれば、一時的に購入率が上がる可能性はあります。しかし値引きを繰り返していると、お客様の中に「この商品は安くなった時に買うもの」という認識が生まれてしまうこともあります。
特に通販では、初回割引や定期割引、キャンペーンなど、さまざまな価格施策を行います。そのため知らないうちに、商品の価値ではなく「割引率」で選ばれる状態になっていないかを確認することも大切です。価格は売上をつくるための手段である一方で、その商品の価値をお客様に伝えるメッセージでもあります。
そして、ここで重要になるのがCRMの視点です。値上げを単なる価格変更として考えるのではなく、お客様との関係を改めて見直す機会として考えてみる。なぜ価格を変更するのか、これからもどのような品質を提供していくのか、その商品を使い続けることでどのような価値が得られるのか。こうしたことを丁寧に伝えることもCRMの大切な役割です。また、すべてのお客様に同じコミュニケーションをする必要もありません。長期間購入いただいているお客様、購入金額の大きいお客様、最近購入が途絶えているお客様など、顧客との関係性によって伝え方や提供するサービスを変えることもできます。通販事業では、どうしてもCPOや購入率といった獲得効率に目が向きがちです。しかし、その先にある継続率やLTV、そして最終的に事業としてどれだけ利益を残せるのかまで考えると、価格の意味も変わってきます。
「価格を下げれば売れる」「価格を上げれば売れなくなる」と単純に考えるのではなく、「この価格でも買いたい」「これからも使い続けたい」と思っていただける理由をつくること。商品そのものだけでなく、サービス、ブランド、CRM、コミュニケーションまで含めて価値を設計することが、これからの通販にはより重要になってくるのではないでしょうか。
自社の商品価格は、単なる「値付け」になっていないでしょうか。一度、顧客との関係性やLTVまで含めた視点から、価格のあり方を見直してみると、新しい課題や可能性が見えてくるかもしれません。
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