通販事業において、「新規獲得」はもちろん重要です。しかし近年は広告費の高騰もあり、獲得した後の設計がますます重要になっています。その中で、今あらためて注目したいのが「オンボーディング設計」です。オンボーディングとは、本来は新入社員教育などで使われる言葉で、通販に置き換えると「お客様が商品やブランドに慣れ、継続する理由を作る最初の体験設計」と言えます。実際、多くの通販会社では、初回購入後30日〜60日以内に継続するか離脱するかが大きく分かれています。つまり、この期間の体験設計がLTVを左右すると言っても過言ではありません。今回は「買って終わりを防ぐ」通販のオンボーディング設計についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

例えば、ある健康食品通販では、「商品には自信があるのに定期継続率が伸びない」という課題を抱えていました。調査してみると、お客様が「効果を感じる前」に離脱してしまっていました。理由はシンプルでした。商品は届くものの、「どう飲めばいいのか」「いつ頃変化を感じやすいのか」「継続する意味は何か」が十分に伝わっていなかったのです。
そこで、まずは初回購入後の設計を大きく見直しました。商品到着後すぐに、飲み方やおすすめタイミングをまとめたガイドを配信。さらに、実際のお客様の体験談や、開発者の想いを伝えるコンテンツを段階的に届けるようにしました。また、コールセンターでも売る対応ではなく、続けやすくするための相談を意識したコミュニケーションへ変更しました。すると、2回目購入率や定期継続率が改善。広告費を増やさなくても、徐々にLTVが安定し始めました。
またプラスに働いのは、お客様からの問い合わせ内容にも変化が出たことです。以前は「解約したい」「自分に合っているかわからない」といった不安系の問い合わせが多かった一方で、改善後は「おすすめの使い方は」「家族にも勧めたい」といった前向きな相談が増えていきたと言います。
つまり、オンボーディングとは単なる販促施策ではなく、「お客様との信頼形成」そのものでもあるのです。ここで大切なのは、「商品力だけで継続は決まらない」という点です。どれだけ良い商品でも、お客様が不安を感じたり、使い方が分からなかったり、変化を実感する前に離脱してしまえば継続にはつながりません。だからこそ今の時代は、“売る”だけではなく、「続けられる体験」をどう設計するかが重要です。
広告効率だけを追いかける時代から、顧客体験全体を設計する時代へ。新規獲得が難しくなる今だからこそ、最初の30日〜60日をどう設計するか。そのオンボーディングの質が、これからの通販事業の成長を大きく左右していくのではないでしょうか。まずは自社の状況を一度チェックしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれません。
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