2026.08.13 07:01

AI時代の広告で普通の広告はさらに埋もれる

生成AIの進化によって、広告制作のハードルは急速に下がっています。以前であれば、広告を一本つくるために、企画を考え、コピーを書き、デザインを制作し、場合によっては撮影を行い、何度も修正を重ねる必要がありました。しかし現在は、AIを活用すれば広告コピーのアイデアを短時間で何十案も出すことができます。画像生成AIを使えばビジュアルをつくることもでき、動画生成や編集までAIで行えるようになっています。そんな中、これまでの広告の世界とどう変わってくるのか。今回はAI時代の広告で普通の広告はさらに埋もれることについてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

広告を「つくる」という作業そのものは、これからさらに簡単になっていくでしょう。これは企業にとって非常に大きなメリットです。制作時間を短縮できる。制作コストを下げられる。これまで月に数本しかテストできなかった広告を、数十本テストできるようになる。特に広告クリエイティブのPDCAという点では、AIは非常に強力な武器になります。

一方で、一つ大きな変化が起きると考えています。それは、「広告をつくれること自体には、ほとんど価値がなくなっていく」ということです。なぜなら、自社がAIを使えるということは、競合企業もAIを使えるからです。これまでは、広告制作の予算や人材、制作会社の能力などによって、企業ごとにクリエイティブの品質にある程度の差がありました。しかしAIが普及すれば、その差は急速に縮まっていきます。

①どの会社も、それなりにきれいなバナーをつくれる。

②どの会社も、それなりに読みやすいコピーを書ける。

③どの会社も、それなりに完成度の高い動画をつくれる。

つまり世の中に「平均点以上の広告」が大量に増えていくということです。これは広告を見る消費者側からすると、非常に大きな変化です。SNSを開いても、ニュースサイトを見ても、動画を見ても、完成度の高い広告が次々と表示される。その結果、単に「きれい」「わかりやすい」「それっぽい」というだけの広告では、ますます人の記憶に残らなくなっていきます。

ここで重要になるのが、「何をつくるか」ではなく「何を伝えるか」です。例えば化粧品であれば、「潤いのある肌へ」「年齢に負けない美しさを」「毎日のスキンケアをもっと簡単に」といったコピーはAIでも簡単につくることができます。決して悪いコピーではありません。しかし、競合企業も同じような言葉を使えば、消費者から見れば違いがわからなくなります。だからこそ、これからの広告では「その会社、その商品だから言えること」が非常に重要になります。

なぜこの商品をつくったのか。競合商品と何が違うのか。どんなお客様の、どんな悩みを解決したいのか。実際のお客様は、どんな理由で商品を選んでいるのか。会社として何を大切にしているのか。こうした部分は、AIだけでは生み出すことができません。

もちろんAIを使って整理したり、表現を磨いたりすることはできます。しかし、その材料となる企業の思想や商品開発の背景、顧客の声、長年蓄積してきた経験は、その会社自身が持っているものです。ここに、AI時代の広告における大きな差別化のポイントがあります。

今後は、「広告」と「ブランド」の境界線はさらに小さくなっていくと考えています。広告だけを見て、その場でクリックさせることを考えるのではなく、「この会社は何か違う」「この商品は少し気になる」「このブランドの考え方は好きだ」と感じてもらう。こうした小さな記憶や共感を積み重ねていくことが、結果として広告成果にも影響していきます。

AIによって広告制作が高速化するほど、広告の数は増えます。広告の数が増えるほど、消費者が一つひとつの広告を見る時間は短くなります。そして見る時間が短くなるほど、「普通の広告」は埋もれていきます。だからこそAI時代に必要なのは、AIを使って平均点の広告を大量につくることだけではありません。

AIによって浮いた時間を、商品を深く考えること、顧客を理解すること、自社の強みを言語化すること、そしてブランドをつくることに使う。ここにAI活用の本当の意味があるのではないでしょうか。AIは広告制作のスピードを上げてくれます。しかし、「何を伝えるべきか」までは決めてくれません。これから企業に求められるのは、AIを使える会社になることだけではなく、AIに渡すべき「自社ならではの材料」を持っている会社になることです。広告をつくる技術が平準化されればされるほど、最後に残る差はブランドです。

AI時代だからこそ、自社は何者なのか。なぜこの商品を売っているのか。お客様から、どんな会社として記憶されたいのか。広告を考える前に、そこから考えてみる。AIによって広告が簡単につくれる時代だからこそ、「普通ではない理由」を持っている会社が、これまで以上に強くなっていくのではないでしょうか。自社の運用状況はいかがでしょうか。まずは一度チェックしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれません。

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最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

福岡の通販広告・販促・通販コンサルティング専門の広告代理店                         株式会社ダイレクト・ラボ  

ダイレクトマーケティングプランナー 石井 孝典

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