売上を伸ばすために、広告を改善する。反応率を上げるために、LPを変える。CPOを下げるために、媒体を見直す。こうした取り組みは、マーケティングの現場では日常的に行われています。そして、こうした改善の積み重ねが成果につながることも事実です。しかし一方で、「施策は増えているのに、成長の手応えがない」「売上は作れているが、将来の見通しが立たない」「判断が常に短期の数値に引っ張られてしまう」ということが起こっていないでしょうか。これは、現場の問題ではなく、「判断の基準」が短期最適に偏っている状態です。ここで必要になるのが、ブランディングの視点です。今回はマーケティングを経営に引き上げるブランディング思考についてお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

ブランディングというと、ロゴやデザイン、世界観づくりを思い浮かべることが多いかもしれません。しかし本質はそこではありません。ブランディングとは、「どの市場で、誰に、どんな価値で選ばれる会社になるのか」を定義すること。つまり、経営の判断軸をつくる活動です。この軸が明確になると、マーケティングの意思決定が変わります。「どの顧客層に投資するのか」「どの訴求は強化し、どの施策はやめるのか」短期的に数字が合っていても、ブランドの方向性と合わなければ選ばない。こうした判断ができるようになると、施策は単発の改善ではなく、「成長のための投資」へと変わっていきます。
ある通販企業では、売上拡大を目指して幅広いターゲットに広告を出していましたが、価格訴求中心のため、継続率が伸びず、広告効率も不安定な状態が続いていました。そこで、「品質志向で長く使い続けたい顧客」にターゲットを絞り、ブランドの価値を再定義。価格ではなく価値訴求に切り替え、広告・LP・CRMの方向性を統一しました。その結果、新規獲得数は一時的に減少したものの、継続率とLTVが改善し、半年後には安定した成長軌道に乗りました。
短期の最適化だけを追い続けると、改善のサイクルは回りますが、成長の構造は変わりません。重要なのは、「何を改善するか」ではなく、「どこに向かって改善するか」です。マーケティングを経営の力に変えるためには、短期の数値だけでなく、中長期の選ばれ方を設計すること。その中心にあるのが、ブランディング思考です。場当たりの改善から、意図ある成長へ。マーケティングを経営視点に引き上げることで、成果は単発ではなく、積み上がるものへと変わっていきます。自社の運用状況はいかがでしょうか。まずは一度チェックしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれません。
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ダイレクトマーケティングプランナー 石井 孝典







