通販の現場では、数字が全てを語るように感じがちです。CVR、LTV、離脱率など、これらの指標は確かに重要です。しかし、データだけでは見えてこない「なぜその商品が選ばれたのか」という顧客の感情があります。購買を動かすのは「論理」ではなく、「共感」「安心」「憧れ」といった心の動きです。その感情ニーズをどう掘り起こすかが、次のヒット商品のカギになります。今回はデータで見えない感情ニーズを掘り起こすことの重要性についてをお伝えいたします。お時間ある際にぜひお読みくださいませ。

多くの通販企業が見落としがちなのは、顧客が商品を買う前に「自分の中でどんなストーリーを描いているか」という点です。たとえば健康食品なら「若々しくいたい」、化粧品なら「鏡を見るのが楽しみになりたい」。こうした理屈ではない目的をつかむには、アンケートよりもレビューやクチコミ、顧客対応時の会話記録など、生の声に触れることが重要です。中でも、購入理由よりも「使ってみてどう感じたか」の表現には、商品開発ヒントが隠れています。
たとえば、あるスキンケアブランドでは「乾燥小じわが気になる」という顕在ニーズを軸に開発を進めていました。しかし、レビューを丁寧に読み込むと、「朝のメイクがきれいにのる」「肌がやわらかくなって気持ちが前向きになった」といった声が多く見られた。そこで、保湿力を訴求するよりも「朝の自分を好きになれるスキンケア」という新しいコンセプトに再定義したところ、リピート率が大幅に向上したと言います。数字では測れない気持ちの変化を捉えた結果、ブランド体験そのものが変わることに。
さらに一歩踏み込むなら、「言語化しづらい違和感」をチームで共有する文化をつくることです。データ分析担当と商品開発、カスタマーサポートが同じテーブルで顧客の声を読み解くと、数字だけでは見えない心の温度が浮かび上がります。たとえば、「効果があった」という表現の裏にある「期待していた自分に近づけた安心感」など、感情の機微を構造的に捉える習慣が生まれます。
数字と感情の掛け合わせが重要です。データを分析するだけでなく、データの背景を読み取る。通販のコンセプトづくりにおいて、その一歩がブランドの成長スピードを決定づけます。自社の運用状況はいかがでしょうか。まずは一度チェックしてみてください。何か見えてくることがあるかもしれません。
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ダイレクトマーケティングプランナー 石井 孝典